うちの息子(長女もそうでしたが)の小学校には長期休暇用の自由応募の宿題があります。
ドリルやプリントのほかに、作品募集があって、その募集要項を見ながら工作したり書道をしたりすると学校で出品してくれるのです。
別に取り組まなくてもいいのですが、長い休みに何か一つでも作品にじっくり取り組ませるのもいい経験かと思い、毎年「詩」に取り組んでいます。
でも長期休暇の自由課題とはいえ、小学生に「詩」を書かせるって親としてはとても困ります。
どうやって教えたらいいのか?
そもそも詩ってどうやって書かせるのか?
私も息子に詩を書かせる宿題を2年手伝って気づいた実際の方法とコツをまとめてみます。
参考になれば幸いです。
小学生に詩を書かせるコツは自信を持たせる

私が息子と取り組んでいたのは「詩」という文章を書く課題です。
理由は簡単。
私に絵心がなく、書道も下手。
男なのに工作も得意ではないからです。
だから逆に私は文章で人に伝えることを大事にしてる気がします。
で!
小学生に詩を書かせるにはいくつかコツがあると思っています。
人間は書くことでも話すことでもそうですが、必ず言葉を使います。
自分の考えを上手にアウトプットできる子供になってほしいという願いもあります。
そのためにはまず書いたものを褒めてあげて自信を持たせることが大事です。
これ本当に重要です。
どんなに幼稚な表現でも書き方でも認めてあげましょう。
自分の考えを言葉で表現するというのは本当に難しいものです。
作文嫌いの子供が多い事がそれを表しています。
私も娘や息子に文章を書かせる時はできた文章は絶対否定しません。
むしろ
「この言葉の使い方がいいね」
とか
「この表現どこで覚えたの?すごい!」
とかしか言いません。
できれば
「○○(子供の名前)は本をよく読んでいるから、こんな表現書けるんだね!」
とか
「あの本を読んでいたからかな?」
とか言ってあげると本をよく読むようになりますよ。
絵でも書道でも詩でもそうですが、一生懸命頑張った作品作りを認めてあげることがまずは大事かなと思います。
小学生の詩の題材は何がいい?

詩というと特別な事を書かないといけないような気がしますが、決してそうではないと思っています。
自分が思ったこと、感じた事、経験したことを短い言葉で表すだけです。
ですから題材はなんでもかまわないと思います。
もちろん特別な事があった方が詩に書きやすいと思いますが、日常生活でも題材はたくさん転がっています。
ちょっと具合が悪かったことでも、買い物に行ったことでも、夏休みにぐっすり寝たことでもいいと思います。
子供の
「これを題材にしてみたい」
という気持ちを大事にしてあげればいいのかなぁって思っています。
でも、よくありがちなのが
「何書いていいかわかんない~」
って子供が言い始めること(笑)
そういう時私は
「あの時はびっくりしたよね」
とか
「あれ楽しかったじゃん」
とか言って興味を持てそうなものを思い出せるよう助け舟を出してあげています。
題材が決まったら早速実際に書いてみましょう。
小学生に詩を書かせる実際の方法とコツ

息子が優秀賞をいただいた詩を載せてみます。
「くやしかったぼく」
「父ちゃん、引っこしてもいい?」
「いいよ」
ぼくはつり場所を変えた
アジはたくさんつれたけど
ぼくがねらっているのはメバルとアイナメ
しかけを変えて
つれそうな場所をブラブラした
太陽が山の方にしずみ始めていた
ぼくは急いだ
魚のかげが見えたところに
とりあえず糸をたらした
とつぜんつりざおが曲がった
まるでねん土のようにグニャリと曲がった
とてもじゃないけどリールをまけなかった
つりざおもおれそうだった
結局近くにいたおじさんに助けてもらった
海からすがたを現したのはアイナメ家に帰りさし身にしてもらった
家族で食べた
みんなおいしいと言ってくれた
たしかにおいしかったけど
なんかくやしかった
実際に詩を書き始めていきますが、まずは下書きになりますから私はいろいろ書き込めるように「自由帳」に自由に書かせました。
真っ白なので絵も描きやすいですし。
題名は最後に決めました。
最初に題名を決めようとすると時間がかかることがあるからです。
それよりも詩の中身を書き始める方がいいです。
子供と二人で当時の事を思い出しながら書いていきます。
子供一人で書かせるとどうしても中身が「薄く」なってしまいます。
なので、必ず二人で考えるようにしています。
親が覚えていても
「おー!よく覚えいていたね!」
とか
「あー、そんなことあったあった!」
なんて言いながらテンションを盛り上げています(笑)
大体書けたら1日目は終了です。
長くやっても飽きるだけですからね。
2日目から二人で徐々に仕上げていきました。
私がコツとして伝授したのは次のようなことです。
- 会話文から始める
- 時間の推移を工夫する
- オノマトペを入れる
- 比喩表現を取り入れる
- 繰り返し表現を取り入れる
- 最後の一行だけに心情を表す
- 題名をぼやかす
「会話文から始める」は小学生では使える技ですね。
「今日は運動会です。」
という文章から始まるよりも
「今日はがんばるぞ!」
という心の言葉とか会話文から作文を始めると勢いが出ます。
それを詩にも取り入れました。
「引っこし」という言葉も読者の関心を引き付けていると思います。
「時間の推移を工夫する」は
「もう夕方の5時になったので」
と書くよりも
「太陽がしずみかけていた」
とした方がより臨場感が出ます。
太陽の場所を示すことで(息子の詩だと『山の方に』という文章)視覚にもうったえることができます。
「オノマトペを入れる」もできるようになると場面の様子が分かりやすくなります。
息子の詩で言うと「ブラブラ」とか「グニャリ」ですね。
「比喩表現を取り入れる」は小学校4年生、小学校5年生あたりから書けるようになるといいと思っています。
「まるで○○のように」です。例えば
「まぶしかった」
ではなく
「まるでライトに照らされたステージのようだった」
とか。
息子は最初アイナメを
「鮭かと思ったほど大きかった」
と書いていました。

ところが中学生のお姉ちゃんから
「そんなにデカくなかったじゃん!」
と否定されてしまい、落ち込む始末…。
じゃあとても大きかったことを別の書き方で表そうということになり比喩表現にしたという裏話があります。
「繰り返し表現を取り入れる」も臨場感が出ますね。
息子の詩で言うと「つりざおが曲がった」「グニャリと曲がった」です。
「最後の一行だけに心情を表す」もテクニックですね。
それまでは自分の行動や様子を淡々と書いてきたけど、最後に自分の心情をそっと添えることで効果抜群です。
「題名をぼやかす」のは読み手に想像を働かせてもらうためです。
「大きなアイナメをつったよ」
よりも
「くやしかったぼく」
にした方が「何でくやしかったのかな?」と思ってもらえます。
今回の詩では最後に息子の心情が書かれたのでそれともリンクさせようと考えました。
(ちなみにこの本↓を読んで参考にしました。)
小学校6年生までに必要な作文力が1冊でしっかり身につく本小学生が詩を書くコツのまとめ
小学校6年生くらいの高学年だったら、もう少し抽象的な概念を詩にしてもいいと思います。
「自分の心の動き」とか。
これをお読みの方の中で
「こういう教え方してもいいのかしら?」
「教えすぎじゃないのか?」
と思った方もおられると思います。
でもやっぱり、書く技術を使えるようにならないと作文や詩は書けるようにはなりません。
私は「作文を書く技術」は使えないよりは使えるようになった方がいいという考えです。
ただでさえ「書く技術」というのは身につけるのが難しいと思っているので。
「書くこと」は「技術」です。
例えば包丁を研ぐのも技術ですが、何も知識がないままでは包丁は研げるようにはなりません。
包丁を研げるようになるには、研ぎ方を「教えてもらって自分でやってみる」のが一番の近道だと思います。
詩を書くのも「教えてもらって自分で書いてみる」ことが大事だと思っています。
息子は2年連続優秀賞をいただきました。ラジオで朗読もしていただけます。
それでとても自信を持たせることができました読し、読書量も増えています。
でも賞をもらうことが目的なのではなく、「自分の考えを文章で表現できる」のが目的です。
もしこれから小学校の作品募集があったら詩や作文、短歌や俳句に取り組んでみてはいかがでしょうか。
自分自身の勉強にもなりますよ!

ちなみに低学年の詩の書き方はこっちに書いてみたので、よかったらどうぞ♪

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